宮城県気仙沼市立面瀬小学校で高須理事長が出前授業を実施

 「誰も取り残されない気仙沼」実現プロジェクトの「子どもの尊厳に関する普及・啓発」事業の一環として、2022年11月4日、宮城県気仙沼市立面瀬小学校5年1組で高須幸雄HSF理事長が『子どもの権利条約』に関する出前授業を行いました。

 

 この日は公開授業研究会の日ということもあり、教室が普段とは違ったり、教室内に25名以上の他校の先生方が研究に来られていたこともあったりで、子ども達はとても緊張しているように見えましたが、「みんな緊張していると思いますが、私の方がもっと緊張していますよ。笑」という高須理事長の第一声で、子ども達の顔は少し綻んでいるようでした。

 

 『権利』って何だろう?という、とても難しい問いから授業は始まりました。頭を悩ませている子ども達がたくさんいましたが、『酸素と同じように、ないと生活できないもの』『みんなが持っている人間としての価値、誰もとってはいけない権利』『どんな人間も生まれたときから持っている能力をのばして、一人の大人に成長するのに必要な権利』だという説明があると、たくさんの子達がうなずいていました。

 

 その『権利』の中でも『子どもの権利条約』とは?というテーマにうつると、全40条の中から自分が大事だと思ったもの2つを選び、選んだ理由とともに何名かが発表してくれました。第31条の【休み・遊ぶ権利】を選んだ子は、「子どもにとって、休んだり遊んだりすることはとても大切だから」と発言してくれ、高須理事長も「そのとおり!」と深く頷いていました。第35条の【誘拐・売買からの保護】を選んだ子は、「子どもを家族から離して遠い場所に連れていくということが海外であると知って、絶対にダメだと思った」と発言してくれました。

 

 次に、『クラスや社会で守られていないと思う権利』についてもそれぞれがひとつを選び、発表してくれました。第2条の【差別の禁止】を選んだ子に対して、「差別をなくすためにはどうすればいいと思う?」と高須理事長が質問し、突然の質問にその子が戸惑っていると、「全ての人間に同じ価値がある。人間の好き嫌いなどの感情をなくすることはできないが、嫌いだからと言って差別することは絶対にダメなんだよ。」と優しく回答していました。

 

 最後に、『すべての子どもに_____を』の下線部を自由に書いて全員に発表してもらうと、『人権』や『権利』の他、『自由』『幸せ』『感謝』『勇気』『やさしい暮らし』など様々な素晴らしい回答が発表され、今回の授業をそれぞれが自分なりに受け止めて考えてくれたことがよくわかりました。

 

 自分には価値があることを大切にしてください。自分に自信を持ってください。自分のなりたい将来を想像してください。ひとりで悩んだり孤立したりしないこと、誰かに相談することを大切にしてください。人間はみんなちがう。そのちがいを認めて差別したり仲間外れにしたりしないことを覚えておいてください。というメッセージを高須理事長が子ども達に贈り、45分間の授業はあっという間に終了時刻を迎えてしまいました。

 

 今回の出前授業に際し、ご尽力いただいた関係者の皆様、誠にありがとうございました。HSFは引き続き、気仙沼市の幼稚園・小中学校および学校以外の様々な子どもの居場所において、子どもの権利条約についての理解を深める活動を続けていく予定です。

2022年11月4日/菅原水緒