「人間の安全保障」の広がり


みなさんは「安全保障」という言葉を聞いたとき、「それは国家や政府の行うべき役割」であったり、「海外で起こっている武力紛争やテロ、難民、食糧危機、自然災害など」と思い浮かべるでしょうか?あるいは、自分自身と関係ない事柄として、普段は意識していないかもしれません。

 

しかし、紛争や迫害、テロ、貧困、自然災害、気候変動、環境問題、感染症などは「国境を越える問題」であり、日本に暮らす私たち一人ひとりの生活とも密接に関係しています。言い換えれば、私たちの非常に近いところで、生命や生活を脅かされる危機的な状況が発生しているということを示しています。

 

グローバル化や相互依存が深まる今日の世界においては、従来の「国家の安全保障」という考え方から、人間の生存、生活、尊厳を脅かすあらゆる種類の脅威を包括的に捉え、これらに対する取り組みを強化しようとする「人間の安全保障」という新しい考え方が広まってきました。

理論から実践へ


HSFは、大学発のNPOであることを活かし、個人の生存、生活、尊厳を脅かすさまざまな脅威──貧困、飢饉、感染症、災害、環境破壊、紛争、組織犯罪、薬物、人権侵害など──に対し、国際関係論などの社会科学、自然科学や地域研究、人文科学など多様な観点からアプローチし、社会的な活動を行なってゆきます。

 

ひとりひとりの「安全」「安心」なくらしを守り、人間同士の「尊厳」を認め合いながら、共感とつながりによる平和を大切にするために「人間の安全保障」の確立に貢献します。