2025年5月22日木曜日、気仙沼市中央公民館で学童指導員研修会が開催され、HSFの「誰も取り残されない気仙沼」実現プロジェクトチームが運営を担当させていただきました。
前半は、HSFの高須幸雄理事長による講義が行われました。まずは、気仙沼市と協力して進めている「誰も取り残されない気仙沼」実現プロジェクトについて説明し、その後、学童保育運営方針の改訂について確認しました。次に、日本の子どもが抱える課題、気仙沼の子どもを巡る課題を取り上げ、最後にメインテーマである子どもの権利条約について、子どもの権利条約をどう生かすかという観点から話しました。
後半は、学童保育の現場で日々子どもたちと向き合っていらっしゃる指導員の方々からの声をもとに、質疑応答を行いました。子どもの権利条約というものをどのように理解し、どのような意識を持って子どもたちと関われば良いか、という核心を突いた質問から、日々現場で起こっている具体的な事例についての質問まで、本当にたくさんの質問をしてくださり、指導員の方々の意識の高さや責任感の強さを改めて感じる時間となりました。
その中のひとつに「子どもが、やりたくない、という主張をする時があるが、それが良いとされる場合とやりたくなくてもやらなければならない時がある。しかし、子どもに合わせて欲しいという保護者もおり、どうするのが正解なのか?」という質問がありました。高須理事長からは、「自分の意見も大切だけど、周りにいる人の意見も大切だよ」ということを伝えると良いと回答しました。「義務を果たさないなら権利はないんだよ」と言うのは間違っている、という助言には、たくさんの指導員の方々がうなずいていらっしゃいました。「子どもの意見を聞くことは大事だが、親や先生がなんでも全て子どもの言う通りにするということではない。子どもの意見を聞かないで大人が決めるのではなく、真剣に聞いた上で、もしその通りにならなかった時にはその理由をしっかりと説明してあげる、ということが大切。そのプロセスがないと、子どもは、『無視されている』と感じる。子どもの意見を聞きながら決めるということで、子どもたちのアイデアと協力を引き出せるメリットもある」ということも伝えていました。
子どもの権利条約は「自分を大切にするための権利であると同時に他者を大切にする権利だ」ということを何度も強調して閉会となりました。
これからの気仙沼市の学童保育の現場が、今まで以上に豊かになっていくことを心から願います。
この研修会に関わってくださった、気仙沼市教育委員会のご担当者様、特定非営利活動法人気仙沼市学童保育運営委員会の皆様、ご参加いただいた学童指導員の皆様、貴重な機会をいただき本当にありがとうございました。