気仙沼市唐桑小学校「子どもの権利条約に関する出前授業 

 

 2025523日、気仙沼市立唐桑小学校6年生28名に対し、高須幸雄理事長が子どもの権利を学ぶ授業を実施しました。

 まず私たちが驚いたのは、校舎の造りでした。今までに見たことのない開放的な空間で、教室や廊下もとても広く、思わず深呼吸したくなるような気持ちの良い校舎でした。1コマ目の授業をさせていただいたのも、教室ではなく大きな階段のある広場のような場所で、こんなところで毎日のびのびと学校生活を送っている唐桑小の子どもたちがとても羨ましかったです。

 授業はいつものように、世界の子どもたちの状況についての話から始まりました。安全な水を飲めない子どもが20億人いること、5歳の誕生日を迎えられない子どもが年間500万人いること、小学校に通っていない子どもが5900万人いること、など、日本の子どもたちとは全く違う状況に驚きを隠せない子がたくさんいました。しかし日本では、子どもの幸福度が低い、子どもの人権がじゅうぶんに守られていない、という現状があり、状況は全く違うけれど、日本にも色々な課題があることを伝えました。

 次に人権についての話です。「人権って何だと思う?」という問いには色んな意見が出ましたが、特に「人間そのもの」という意見には、高須理事長も心から感心していました。

 次は発表の時間です。この学校でも、授業の数日前に、子どもの権利条約のカードブックを配布し、①自分が最も大切だと思う権利は?②自分の周りで最も欠けていると思う権利は?という2つの質問に、理由とともに回答を考えてもらっていたので、それを発表してもらいました。①は「差別の禁止」「教育を受ける権利」「意見を表す権利」「プライバシー・名誉を守られる」など、②は「差別の禁止」「適切な情報の入手」を選ぶ子が多かったです。特に①で「休み、遊ぶ権利」が大切だと発表してくれた子に理由を聞くと、「自分の時間をもっと自由に使って遊びたい」という本音を話してくれました。

 次に場所を特別教室に移してグループワークを行いました。「子どもの権利を守り、自分のクラスをもっと良くするためのクラス目標」について話し合いました。この学校は、グループによって話し合う方法も様々で、どんな風にみんなの意見がまとまるのか、見ていてとても興味深かったです。「どんな違いがあっても、人によって態度を変えたり差別しないで仲良くする」「一人一人の意見や表現の仕方を尊重し、差別や喧嘩のない充実したクラスにする!」「男女平等!!」など、日々の学校生活を振り返りながら、こんなクラスにしたい、というそれぞれのグループの真剣な思いが伝わってくる発表でした。

 今日学んだり考えたりしたことを毎日の学校生活を送るにあたって意識したり取り入れたりして、小学校生活最後の1年を、クラスみんなで最高の時間にしてほしいです。