気仙沼市大谷小学校「子どもの権利条約に関する出前授業 

 202598日、気仙沼市立大谷小学校6年生25名に対し、高須幸雄理事長が子どもの権利の授業を実施しました。

 大谷小学校は、2021年にHSFが初めて『子どもの権利条約に関する出前授業』をさせていただいた学校で、今回が3回目になります。大谷小学校に行くと毎回、子どもたちの人懐っこさと活発さに元気をもらいます。今回も、教室に入った瞬間とてもあたたかい空気を感じ、嬉しくなりました。

 世界の子どもたちの状況や日本の子どもたちの幸福度について高須が説明した後、人権についての話に入りました。高須が、「人権って何か知ってる?」と問うと、「人間が生まれながらにして持っているもの」と発言してくれた子がいてとても感心しました。『基本的人権』については社会の授業ですでに学習済みの彼らでしたが、「子どもの権利」というものはあまり聞いたことがないようでした。「大人も子どもも価値は同じ。大人も子どももみんな生まれた瞬間から人権を持っている。でも、子どもはまだ心身共に発達段階の途中にいるから、子どもならではの権利が守られないといけないんだよ。」という高須の話には頷いている子が多かったです。

 次は発表の時間です。この学校でも、授業の数日前に子どもの権利条約のカードブックを配布し、①自分が最も大切だと思う権利は?②自分の周りで最も欠けていると思う権利は? という2つの質問に、理由とともに回答を考えてもらっていたので、それを一人づつ全員に発表してもらいました。この学校では、選んだ権利が特に様々でしたが、①は『生きる権利・育つ権利』『休み、遊ぶ権利』『誘拐・売買からの保護』②は『差別の禁止』『意見を表わす権利』を選ぶ子が多かったようです。①で『休み、遊ぶ権利』が大切だと発表してくれた子は、「放課後は宿題があったり、休日はスポ少などで忙しかったりするので、もっとゆっくりしたいから。」という理由を話してくれました。

 

 次にグループに分かれ、「子どもの権利を守り、自分のクラスをもっと良くするためのクラス目標」について話し合いました。「話し合いスタート!」の合図ですぐに活発に意見交換をしたり、役割分担をしたりしていました。普段の学校での小さな出来事を例に挙げながら、この日学んだばかりの子どもの権利条約をどう活かせば良いかを真剣に話し合っているグループが多く、とても興味深かったです。「差別なく、自分の意見をちゃんと言えるクラス」「絶対にクラスで差別をしない!!」「学習が進むように個人個人が意見を出し合って学習を進める」など、素晴らしいクラス目標がたくさん出ました。画用紙へのまとめ方や発表の仕方もとても上手で、私たちもとても勉強になりました。

 

 最後のまとめでは、人権を大切にするためにはどうすればよいのか、について『ともだちとの違いを認めて、差別したり、仲間はずれしない』『権利を知ることによって、自分に自信をもち、「しかたない」とあきらめない。』『一人で悩んだり、孤立したりしない、誰かに相談する。』『ともだちと一緒に、誰にとってもやさしいクラス、学校に変えていく』の4点を確認しました。

 

 

 今回の授業をきっかけに、元気で明るく仲の良い大谷小の6年生がさらにやさしいクラスをつくっていくことを心から期待しています。